「助け合い」が生み出す豊かな社会
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「助け合い」が生み出す豊かな社会

全国共済農業協同組合連合会(JA共済連) 代表理事理事長 柳井二三夫 日本介助犬協会 専務理事 髙栁友子

介助犬が生み出す社会の姿

介助犬が生み出す社会の姿

ーだんだんと介助犬に対する認知は広がりつつありますが、この先もまだ拡大していくことが必要でしょうか?

髙栁:そうですね。まだ介助犬について知らない人が多く、飲食店や病院で、介助犬の同伴を拒否されてしまうことは珍しくありません。「身体障害者補助犬法」では介助犬、盲導犬、聴導犬などの補助犬を受け入れることが義務付けられていますが、残念ながら、それを知らない人はとても多いのが現状です。

ー法律が制定されて15年以上の時間が流れても、いまだに同伴拒否が行われているのですね……。

髙栁:これを解決していくためには、まず介助犬の存在を知ってもらうこと。JAのイベントでは、何回も佐賀に呼んでいただいているので、佐賀には介助犬がいないにもかかわらず、一度も同伴拒否にあったことがないのですよ。

ー髙栁さんとしては、介助犬を通じてどのような社会を実現したいと考えていますか?

髙栁:日本介助犬協会では「人にも動物にもやさしく楽しい社会をめざして」というスローガンを掲げています。介助犬をきっかけに、障がい者と健常者との間にコミュニケーションが生まれれば、障がい者が支援を受けやすい環境がつくられる。それによって、多様な人々を受け入れる豊かな地域がつくられていくことが望ましいと考えています。介助犬という存在は、その第一歩としてもとても大きな役割を果たす存在なのです。

柳井理事長:その理念は、我々の目指す地域社会の姿と同じと考えています。

介助犬が生み出す社会の姿

ーところで、JA共済連ではCSR(企業の社会的責任)活動の一環として日本介助犬協会への支援を行っています。今では、さまざまな企業がCSR活動を展開していますが、一般の株式会社が行うCSR活動とはどのように異なっているのでしょうか?

柳井理事長:多くの会社にとって、CSRとは企業の存在をアピールするための活動です。だから、CSRが会社にとってもたらされるメリットについて議論されることは多いですよね。しかし、JA共済連では、なるべくそういった議論を排除しているのです。なぜなら、相互扶助を理念とするJA共済連にとって、日本介助犬協会への支援をはじめとするCSR活動は、共済事業と同じ理念を持った活動であり、声高にアピールするものではない、という考えだから。ただ、その一方で、あまり広報をしてこなかったのは反省点かもしれません。特に、今日のようなお話を聞くと、積極的に広報をしていくことで、もっと社会を巻き込んでいく可能性があるのではないかと感じますね。

ー支援においては、広がっていくことも大切な要因ですね。

柳井理事長:髙栁さんとお話をして、日本介助犬協会は改めて我々の理念と共通した活動を展開していることがわかりました。今後は、介助犬の認知を拡大していくのみならず、社会に対して新たな共鳴を生み出していくような活動を一緒に展開していきたいですね。我々は、よく「絆の輪を広げる」という言い方をするのですが、ひとりひとりが絆を広げていけば、これまで以上の助け合いが生まれます。そして、その先に豊かな社会が実現していくのではないでしょうか。

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PROFILE

柳生二三夫

柳井二三夫

1956年、福島県いわき市生まれ。早稲田大学商学部を卒業後、1979年に全国共済農業協同組合連合会(JA共済連)に入会。主に管理畑を歩み、2010年常務理事、2015年代表理事専務を歴任後、2017年代表理事理事長に就任。休日に、夫人と映画鑑賞や旅行に行くことを趣味としている。

髙栁友子

髙栁友子

医学博士。介助犬による障がい者の社会参加推進を目的に1997年日本介助犬アカデミーを設立し、身体障害者補助犬法の成立に貢献。2003年、社会福祉法人日本介助犬協会(2007.8全国介助犬協会より名称変更)を設立、2007年事務局長、2017年より同専務理事。医師の立場から介助犬の育成支援・普及啓発活動等を行っている。毎年夏に沖縄宮古島に家族でシュノーケリングをしに行くのが楽しみ。

写真・豊島望 文・萩原雄太 編集・MULTiPLE Inc.
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